top of page

20歳。NYでWKに会った話



SNSで情報をキャッチできるようになって10年弱。


SNSが現実なのか非現実のなのか

本当か嘘か


ウイルスのごとく蔓延する情報


これを駆使して商売をするまでになってしまった

インスタグラム


インスタグラムを見て行動を起こすことは珍しくないけど


今でも変わらないのが

SNSを眺めて「知った気」になっている感覚 < リアル体験

これは雲泥の差である。



初めてNYへ行ったのは2000年。

ちょうど20歳になった年だ。


英語もしゃべれない。

お金もない。

何者でもない。


そんな自分が世界の真ん中と言われるNYで

何ができるのか試したくて

知り合いもいないマンハッタンへ降り立った。


灼熱のマンハッタン。

観光客ばかりなのに驚き

とにかく新いスニーカーを買って歩き回った。


グーグルマップもない時代。

紙の地図を駅で買って

とにかく歩き回る。


ブロックによって匂いも街並みも違うNY。


誰かに騙されて連れて行かれてしまうんじゃないか。

そんな不安もありながらも

全く知らない土地に放り投げられ、右も左もわからず

でも見たことのない街並みにいちいち感動しながらとにかく歩き回る。


街角のあちこちにギャラリーがある。


そう、私は東京で読んでいた雑誌に載っている憧れの[NY]を確認しに来たのだ。


東京の雑誌で紹介されていたアーティストたちのアトリエ、スタジオ。


右も左もわからないまま

人像写真を引き伸ばし、それをモノクロで壁面に落としこんだ作品を作って

大人気だったWK interactのスタジオにたどりついたのは

滞在2週間目の事だった。


その頃には同じアパートに日本人のスケーターの友達ができて

自転車を貸してもらって

街中を疾走していた。


WKのスタジオまではそう遠くないのを覚えている。


雑誌でいつも見ていたWK。

当時NYアートは日本で大人気で、kawsを初め、アート×ストリート×アパレルは

爆発的人気を博していた。

(グラフィックアートが注目され、のちにバンクシーまでの流れもどこかで書いてみたい)


そんな売れっ子のWKのスタジオに行く勇気を出すまでに

2週間かかってしまった。


その2週間で昼間は毎日歩き回り

アパートへ夜帰ると好き放題にスケッチをした。


そのスケッチを2週間で完成させ、それを彼に見せる為にカバンに潜ませた。



スタジオの中で彼が作業しているのが見える。


どのタイミングで話しかければいいのかわからない。


彼以外に中には誰もいないようだ。


緊張しながら近づき「ハロー」と声をかける。


彼は作業の手を止めずハローと微笑んだ。


しばし彼の作業をそばで見ていて


キリの良さそうなところで話しかけた。


どんな英語で話しかけたのか全く覚えていないけど


「素敵な作品ですね。私はあなたの作品を東京で知りました。」

みたいな事を言ったと思う。


すると彼は外に出て話をしようと誘ってくれた。


10坪満たないスタジオの外へ出てベンチに腰掛けた。


私が英語を話せないのは承知だったと思う。


私は必死に自分の作品を彼に見せた。


「NYに来てから描いたものです。」


wk「うん、いいね。とってもワールドワイドを感じるよ」


そう言って細かくマジックペンで書き込まれた手数の多いイラストに

ひとつひとつ感想を言ってくれた。


私が聞き取れたのは「ワールドワイド」と「もっとたくさん描いて欲しい」

という事だけだ。


その後にスタジオで売っているマジックペンを買って

お礼を言って帰った。



今でもあの時の喜びを覚えている。


会って話す。

会って話す。

一対一で話す。


今となっては以前より何倍も何十倍も価値のあることになってしまった。


インスタグラムを眺めながらそう思う月曜日。




p.s この写真は当時私が歩き回って集めた紙のフライヤーやショップカード、地下鉄の回数券を貼り付けたものです。

(union,supream,xgirl,alife,meta,wk,kaws,,,,,,)


もう20年経ってしまったからかなり色褪せているけど

お店のトイレに飾ってあります。

カフェがリニューアルしたらもう一度貼り直してどこかに飾ろうと思います。

その時は見に来てね。


百聞は一見にしかず

百見は一考にしかず

百考は一行にしかず

百行は一果にしかず























閲覧数:97回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page